包丁は、使えば使うほど切れ味が落ちていくもの。しかし、正しく研げば何年、何十年と使い続けることができます。この記事では、砥石の種類と包丁の研ぎ方について、初心者でも分かりやすく徹底的に解説します。
砥石って何?どんな役割があるの?
砥石(といし)は包丁の刃を整えるための道具で、包丁の性能を最大限に引き出すために欠かせません。包丁の素材や使い方によって、選ぶべき砥石も変わります。
砥石の種類
砥石は粒度(番手)によって以下の3種類に分けられます。
荒砥石(#80〜#400)
- 主に欠けた刃や大きく摩耗した包丁の修正に使います。
- 金属を削る力が強いため、研ぎすぎには注意。
中砥石(#800〜#1500)
- 一般的なメンテナンスに最も使用される砥石。
- 切れ味を復活させる「再生砥石」とも呼ばれる。
仕上砥石(#3000〜#10000)
- 切れ味をより滑らかに、美しく仕上げるための砥石。
- プロの料理人や刺身包丁に使用。
天然砥石と人工砥石の違い
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
天然砥石 | 自然の石から採掘 | 切れ味が鋭く、個性が出る | 高価で管理が難しい |
人工砥石 | 工場で均一製造 | 粒度が安定して初心者向き | 天然ほどの風合いはない |
初心者には扱いやすく価格も手頃な**人工中砥石(#1000前後)**がオススメです。
包丁の研ぎ方ステップ|基本を押さえれば誰でもできる
1. 砥石を水に浸す
15〜30分ほど水に浸して気泡が出なくなるまで待ちます。
水を吸わないタイプ(セラミック砥石など)はこの工程不要。
2. 砥石を安定させる
砥石台または濡れ布巾を敷いてズレないように固定。
グラつくと研ぎ角度が不安定になります。
3. 研ぎ角度を決める(目安15度)
硬貨1〜2枚分の高さを刃先に設けるイメージ。
角度を保つことが最重要です。
4. 刃を押しながら前後に滑らせる
刃の根元から先端まで均等に研ぎます。
片面10〜20回、裏面も同様に。
5. バリ(カエリ)を取る
バリが出たら軽く裏面を撫でて除去。
これを行わないと切れ味が安定しません。
6. 水で洗って乾燥
刃と砥石を水洗いして乾燥。
包丁は水分をしっかり拭き取り、湿気の少ない場所で保管。
よくある研ぎミスとその対策
✔️ 刃の角度がバラバラ
→ 対策:最初は研ぎ角ガイドを使うのがおすすめ。
✔️ 一部分だけ削れすぎる
→ 対策:力を均等に。ゆっくりリズムよく研ぐ。
✔️ 切れ味が落ちた気がするのに研いでも変わらない
→ 対策:砥石が減って凹んでいる場合、修正用砥石(面直し)で平らに整える。
包丁の素材別・研ぎの注意点
包丁素材 | 特徴 | 研ぎ方のポイント |
ステンレス包丁 | 錆びにくく初心者向き | 粒度#1000程度の中砥石でOK |
鋼包丁(はがね) | 切れ味抜群・錆びやすい | 小まめな手入れが必要。仕上砥石も◎ |
セラミック包丁 | 軽量・サビない | 通常の砥石では研げず専用のダイヤモンド砥石が必要 |
よくある質問(FAQ)
Q1. どのくらいの頻度で研ぐべき?
→ 週に数回使う家庭用包丁であれば、1〜2カ月に1回程度が目安です。
Q2. シャープナーではダメ?
→ 簡易シャープナーは一時的な応急処置。刃の形が変わりやすく、長期的にはおすすめできません。
Q3. 面直し砥石って何?
→ 砥石の表面を平らに戻すための道具。砥石が凹むと均等に研げません。
まとめ|正しい研ぎ方と砥石選びで、包丁は一生モノに
包丁は、研ぐことで真価を発揮する道具です。
市販の包丁でも、正しい砥石と研ぎ方さえ知っていれば、切れ味を取り戻し、料理のストレスを激減できます。
初心者の方は、まずは中砥石(#1000)で始めるのが安心。
包丁と会話するように丁寧に研ぎ、料理をより楽しい時間に変えていきましょう。
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